12月の半ばあたりに Jimmy Chamberlin Complex のツアー日程がコンファームされた時点でそれに行く事は即決できたものの、場所だけはなかなか決められなかった。というのも、初日の LA のショウだけは仕事の都合上どうしても行く事は不可能で、最初の日に行けないんだったらもう何処でも良かったのだった。勿論 Chicago の Double Door にも行きたいし、千秋楽の LA の Knitting Factory も NY の Mercury Lounge も Boston の The Paradise も「いずれ行きたいと思ってるまだ行ってないベニュー」だし、本当になかなか決められなかった。あれやこれやと色々策を練って(?) Boston の The Paradise に決めたのだが、よくよく考えたらやっぱり千秋楽の LA ショウにすれば良かったな、と(笑)。Chicago にしても NY 、Boston にしても1月の東海岸は極寒なんだよな…。 考えた割には判断誤ったような…。 最近になって某航空会社 U が2 泊 4 日の格安航空券を発券しなくなってしまい、同じ場所に 3 泊もしないとならないのは自分としてはかなり不本意なのだが仕方なし。ショウの2日も前に Boston 入りしたが初日は雪はパラパラ降っているものの、予想していた程寒くはなかった。去年1年の間にここら辺の東海岸地域に知り合いが増えたので、彼らとハングアウトして2日間を過ごした。地元の人しかいかないようなカフェに行ったり、バークリーの人と食事したり(笑)、現地の人自ら解説員をかって出てくれて美術館を廻ったり、なかなか充実した2日間だった。ところがショウの当日の3日目は急に気温が下がって、天気予報によると-12度ぐらい。天気自体はよく、午前中にコンビニに行きがてらちょこっと散歩にでたけど、歩いている時は気にならなかったのだが、ホテルに戻ってみると防寒していない顔やちょっと薄着になっている部分だけ赤くなっていた。低温火傷っていうのか赤くなった部分だけヒリヒリする。流石にこのくらい寒いと老若男女問わずクリームを塗りたぐるなりちゃんと皮膚も保護しないと大変な事になるようだ。気をつけないと。午後は Boston の友人でもあり貧乏ミュージシャンでもある M さんの仕事をちょこっとだけ手伝いに。といってもある場所からある場所まで車で機材を移動させる為にちょっと荷物運びをしただけなんだけど。 で、今晩 JCC のショウにみんなで行こうという話になり、 も1人 D さん(某メーカーとエンドースしてるが彼も基本的に貧乏ミュージシャン)も誘い、夜になってから M さんの車で The Paradise に向った。 The Paradise はボストン大学一帯の端にある中クラスのクラブで、 The Paradise Lounge と The Paradise Rock Club の2種類のステージを持つベニュー。今回の Jimmy のショウは Rock Club でやる事になっている。ビンボーといいつつも一応は地元のミュージシャンという事で D さん達はクラブの人とも顔見知りで、更に今回 JCC のオープニングアクトを務める2つのバンドにも知り合いが居るらしく、開場する前からクラブの中に入って談笑していた。自分もなんだかんだで混じっていたが、 JCC のメンバーも勿論そこにいて Jimmy と久しぶりのご挨拶。 M さんも D さんも Pumpkin や Zwan を知っててもショウを観た事はなかったらしく、特にドラムをやっている D さんは緊張しながらも Jimmy と楽しそうに話していた。 Jimmy も彼らに「どんなジャンルの曲を演ってるのか」「バークリー出身なのか」「CD はリリースしてるのか」と質問攻めにしていた。なんかいかにもミュージシャンどうしの会話という感じでちょっと羨ましくおもったり…。その後一旦外に出て食事をしてまた会場に戻って来たら1番目のバンドのステージが始まっていた。チェロ奏者を含む6人組だったけど…内容は今イチ憶えてない。2番目は4人組の極シンプルなロックバンドだったけどまぁまぁだった。 JCC のセッティングがされている間ちょっと周りを見渡してみたが、客の入りはまぁまぁかな。しかしがたいのいい野郎が多い。前の方もそんな感じの人が陣取っているので、ステージが観づらい。 Pumpkins や Zwan のショウではなかなかなかった光景で、軽くマニアックな雰囲気もあったり。一昨年観に行った Jimmy のクリニックも似たような客層だったが、この中にドラマーはどのくらいいるのかな?準備は手際良く行われ程なくして JCC のショウがスタートした。 アルバムがまだリリースされていない為曲はまぁったく知らないのだが、オープニングはオフィシャルサイトにもアップされている Streetcrawler 。ベースの Billy は観た目からはあまり想像出来なかったが大きく体を揺らしながらベースを弾いていた。 ヴォーカルは Billy と Sean が代わるがわる担当するといった変則技だったが、ショウは地味目に進んで行く。 Jimmyの名を冠しているバンドではあるけれど別に彼が何か喋る訳でもなく、バンマスとして前面に出てくる訳でもなくまるで4人のミュージシャンがセッションをしている感じ。その中で Jimmy は後ろで淡々とプレイしているように見えるが、表情は少々固く、ドラミングにも1音1音に限りなく「気」を注いでいるような集中力を感じた。 Pumpkins やZwan での(音がデカいという意味での)パワフルさやある時のラフさのようなものはあまり見えず、非常に丁寧にプレイをしているように思った。それでもちょっとロック調の曲になると Jimmy らしいトリッキーなフレーズも出て、オーディエンスも待ってましたと大歓声をあげていた。オーディエンスと言えば、面白いくらいにみんなの視線がステージ後方の Jimmy に一点集中していて、彼のドラミングを一時も見逃すまいといった感じで見つめていた。殆どが Pumpkins / Zwan のファンだとは思うのだが、"あの頃"とは違うステージで Jimmy にこれだけ焦点が当たったショウも今までになかったわけでとても不思議な雰囲気だった。 ショウ自体は1時間弱で非常にに短く感じた。で、 JCC としての曲は案外コンパクトな物が多く個人的には「あれ?もう終わり?」と思う事しばしば。それは今までの Pumpkins 等のショウに慣れてしまっているせいなのか( Billy Corgan という独特のソングライターの基でプレイしていたというイメージがつよい為)、 JCC の曲自体が感じさせるのか、 Jimmy のプレイが曲以上の質量を持っているような印象がある。ただ、曲に関しては実際アルバムを聴いてみないとまだなんとも言えない部分もあるのでここではあまりコメントはしたくないけれど。しかしながら Jimmy のドラミングは今まで以上に説得力が増していて、音楽を志している人には勿論、ミュージシャンでない人にも「リズムとは」「楽器とは」といった側面に興味をもたせるような内容の濃いステージだったと思う。ショウとしてはまだまだ課題はあると思うが、その玄人らしいパフォーマンスにはしっかりとした安定感と充実感があり、とても素晴らしいものだった。 最後に Owed to Darryl をプレイして JCC はステージを去ったが、やはり観客の中からアンコールを求める声があがる。暫くして Jimmy だけ登場して「ありがとう…でももう演る曲がないんだよね、ショウに来てくれてありがとう」と言ってショウは終わってしまった。こんな終わり方も JCC らしいのかな?ショウの後 M さんと D さんとバックステージへ行って Jimmy とほんの少しだけ話をしてお別れしたが、その後 Jimmy はファン達が帰ろうとぞろぞろ歩いてる廊下に現れ、彼らとも普通に話したりしていた。これも今までにはなかなか無かった事なんで、ファンにとっては非常に嬉しい出来事だったと思う。 M さんがまた車でホテルまで送ってくれたが、その車中で普段あまり口数の多くない D さんが「 Great 」「 Awesome 」「オフィシャルに MP3 とか置いてるの?」「 Jimmy って何歳?」「キク、 Play Loud だ!練習するぞ」と興奮気味に話しかけてきたのがオモロかった。 M さんはドラマーではないけれどやっぱりショウを堪能したみたいでアルバムを買うと言っている。「アルバムも出てない、大きなプロモーションもしてない中でのショウだからオーディエンスは純粋な Jimmy のファンばかりだよね。それってとっても素晴らしいよ」と彼らしい分析?をしていた。自分も勿論ショウは楽しめたけど、今までとはちょっと違ったシチュエーションでの参戦だったので非常にいい経験が出来ました。また JCC のツアーが始まったらどこかで観たいですが、 M さん D さん達の今後の作品にも期待してます。 D さんのドラミングがもろ Jimmy の影響だったりしたら…めっちゃ笑えるんだけど。 http://www.chamberlin.ne.jp/g01.html << Set List >> (SPFC より) Streetcrawler Cranes of Prey Life Begins Again P.S.A. Lokicat Love is Real Time Shift Newerwaves Owed to Darryl Opening Act #1: On Fire Opening Act #2: Taxpayer |