2003 年 2 月に Jimmy が Zwan として来日した時に、こちら JC website でも同時期にインタビューをやらせていただきましたが、Rhythm&Drums マガジン( 2003 年 4 月号)にも久し振りに Jimmy のインタビュー記事が掲載されました。一部分を御紹介いたします。 音楽が導いてくれるように そして宇宙の波動を受け止められるように ズワン/ジミ−・チェンバリン : スマッシング・パンプキンズからのまさかの脱退と 2000 年の待望の復帰。そして、それから約 1 年後に起こった突然の解散……。ここ数年のジミーは、ジェットコースターのように上っては急降下するような怒濤の運命に翻弄されていた。しかひ、ついに新バンド誕生!先日リリースされたばかりのアルバムを引っ提げて来日公演を果たした彼に、現在の心境、そして現在のドラム観を聞いた。 今回はズワンとしての初来日ですが、ツアーをしてみて、手応えはいかがでしたか? 最高だよ。すごくいい。1 つ気がついたのは、ファンが以前よりエキサイトしているということだ。スマパン(スマッシング・パンプキンズ)で来日していたときは、日本のファンはもっとおとなしかったけど、今はみんなクレイジーだ。 新作でのドラム録りはどのように行われたのですか?最初にドラム録りを行ったんですか? そうだ。ドラムは、シカゴにあるスティーブ・アルビニのエレクトリカル・オーディオで録った。まず曲のテンポを決めて、クリックを流して、ビリーとパズがガイド・トラックを弾いて、必要があればボーカルのガイド・トラックも入れて、それに合せてドラムを叩いて録ったんだ。これはとても効果的なやり方だったんで、ドラム録りはすごく早く終わったんだよ。まず 10 日間かけてドラム・サウンドを作った。それぞれの曲に合ったシンバルの音とか、スネアの音とか、かなり細かいところまで作り込んでいった。バスドラのサイズも曲によって 22" と 24" を使い分けた。スネアは 4 〜 5 種類使った。全部は憶えていないけど、メインはマヌ・カチェのだった(ヤマハ、 SD-455MK )。ポップな曲には、ヤマハのブラスを使ったよ。 リズム・パターンはどのように考えるのですか? 分からない。ひたすら祈るだけかな(笑)。これだけ長くやっていると、何をどうすればいいのか分かってくるし、ビリーとも長年一緒にやってきたから、彼があるコード.パターンを弾くと、彼がどういったドラムを念頭に置いているのか僕には分かる。だから、難しいことじゃないんだよ。 今までも 1 曲の中にいろんなリズムが叩き込まれている感じをあなたのドラムに受けていましたが、今回もまた炸裂していますね。 そうだね。このバンドの音には、そういうタイプのシンコペーションが合っているんだ。その点スマパンはどちらかというとポップ・バンドだったから、やりたいようにやってはいたけど、音楽の幅を広げられるようなミュージシャンと一緒にやっていたわけではなかった。でも、ズワンのベース・ラインは凄く幅広いんで、 ビートにシンコペーションをかけたり、オカズを入れたりしても大丈夫なんだよ。スマパンのベースはすごくモノフォニックで、ギターが弾いている事を単になぞっている感じだったけど、このバンドのベース・ラインだと、ああいうシンコペーションの効いたビートを叩き出しやすいんだよ。 あなたのプレイを聴いていると、最初は優しく普通のパターンに、サビや曲の後半になるにしたがって、徐々に激しくなっていく感じがするのですが、そういう”曲の構成に合わせて叩く”という意識は持っていますか? ああ。ほとんどのドラマーが意識していないのは歌詞なんだ。僕はレコーディングのときに、目の前に歌詞を置いておく。歌詞を読んで、その内容を把握していれば、曲の構成に合わせたドラミングは自然にできるものなんだよ。サビでは激しくて、バースではちょっと抑えて、といったことは、曲が何を言わんとしているかによる。曲を引っ張っていくのはドラムなんだから、サビは壮大に、そしてバースは次の章の始まりといった感じにすべきなんだ。それぞれのパートに合った叩き方というのがあるんだよ。 ビリーとドラミングについて話し合ったりはしますか? もちろん。お互い意見の交換をしているからね。要は一緒にプレイする人との信頼関係だよ。 ライブではバラ−ド調のテンポがゆっくりした静かな曲でも、あなたの叩き方はすごくパワフルですね。 バラードをやるときは、よりパワフルに叩くことが重要だと思う。速い曲のときは、パワーは曲そのものから出てくるけど、ギター・コードがまばらだと、ボーカルをプッシュするためにはドラムがパワフルでないといけないんだ。 あなたのようなテンションと叩き方で 1 公演持たせるにはよほどの基礎体力が必要だと思うのですが、何か日常的にトレーニングをしていたりするのですか? いいや。ドラムを叩く以外には、ヨガを少しかじっている程度だね。体を柔軟にしておくことが凄く大事だからだ。さもないとすごく疲れてしまうから、ストレッチはかなりやるね。筋肉はもうついているから、これ以上ムキムキになるのは嫌なんだ(笑)。 ステージに上がる前に、ウォームアップのために必ずすることはありますか? あるよ。 45 分間ウォームアップしているんだ。ストレッチをかなりやって、それから祈りを唱える。祈りは毎日唱えているけど、音楽が導いてくれるように、そして宇宙の波動を受け止められるようにと感じているんだ。自分は自然の波動を伝えるために音楽をやっているんだということを認識して、プレイする前にそれに向かうことが大事なんだよ。 その波動は、ライブによって違いますか?かなり感じることもあれば、そうでないことも? もちろん。自分がどう聴いているかにもよるし、ステージでのサウンドの具合にもよる。他のメンバーの調子の良し悪しにもよる。左右する要素はいろいろあるんだ。 このバンドでのあなたの役割はどのようなものと考えていますか? このバンドに豊富な経験をもたらしていればと思うよ。僕はこの仕事を長年やってきたけど、まだ経験の浅いメンバーもいるから、彼らがちゃんとしているよう目を光らせていないといけない。始めてのツアーっていうのはけっこうキツいものなんだ。おかしくなってしまう要素はたくさんあるから、僕はそこを緩和させてやろうとしているんだよ。 では最後に、ドラマーにとって必要なものは何だと思いますか? 鍛練することだね。それと、自重することだ。何事も当たり前だと思わないで、毎日練習して鍛練しないといけない。それと、短命に終わらないようにも自重しないといけないね。 |