これは、アメリカの YAMAHA が発行した all access という季刊誌(フリーペーパーかもしれない)に掲載された jimmy chamberlin の記事です。 jimmy は 1994 年の半ば、丁度 smashing pumpkins として「 siamese dream 」リリース後のワールドツアーに出ている間に、 YAMAHA とエンドース契約を結んでいます。彼は 1996 年に smashing pumpkins を解雇されましたが、2年半後にバンドに復帰した後も YAMAHA との契約を打ち切られる事はありませんでした。このショートインタビューはその YAMAHA との繋がりで行われたもので、やはり drum に関する話題が多いです。日本の音楽/楽器専門誌では jimmy のインタビュー記事を読む事はなかなか難しいので、今回はここにその all access に掲載された記事を紹介します(…ちょっと YAMAHA の宣伝になってます)。日本語訳にセンスはありませんが(笑)、御参考までに。 バンドのリーダーであるbilly corganがsmashing pumpkinsの「革新的ポップミュージック」の功績を称えられている時、 そこには jimmy chamberlin のドラマーとしての貢献は見当たらなかった。pumpkinsの最初の3枚のアルバムでプレイしたchamberlinは、彼等の5枚目のアルバム、"machina / the machines of god"でバンドに復活した。今回の彼の話から、jimmyが「ロックドラム」に対して本当に独自の考えを持っている事がわかる。 BRED ON BIG BAND. 「自分がロックドラマーだとしても、」…とchamberlin、「他のドラマーと違うのは、自分がbenny goodmanやduke ellingtonの様な40-50年代の名ドラマーの影響が強い所だと思う。gene krupaのようなドラマーの影響のお陰で、他のロックプレイヤーよりも自分は"タム"の存在を重視しているんだよ。タムから生まれるグルーブを大事にしたいから、なるたけバスドラ-ハイハット-スネア一辺倒というのは避けたいね」 RING'S THE THING. 「80年代に主流だった、ミュート気味のmetal-drumはあまり好きじゃないんだ。輪郭のある響く明るい音(ringy sound)が好きだから、バスドラ以外のドラムは全部マフリングしてないんだよ。ヘッド間の調和のとれた音色が欲しいから、普段のチューニングは底のヘッドを上のヘッドより半分高めにしてるんだ。今自分が使っているyamahaのmaple custom absoluteの音(ringiness)が好きだね。 今まではシェルの厚い方のmaple customを使ってたんだけど、maple customよりシェルの薄いabsoluteシリーズの方がより"歌う"感じがするよ(*1) BIGGER IS NOT ALWAYS BETTER. chamberlinは、pumpkinsのワールドツアー以前にやっていた小さなギグ(インストアライブ)で、yamahaのポータブルドラム、"hipgig"(*2)を使っている。「信じられなかったね!」と、彼。「確かに音はデカくないよ。でもとても新鮮だったし、凄くコンパクトにまとめられるだろ?自分のドラムテクニシャンが、このキットを機内に持ち運べたんだ。billyとこれを使ったレコーディングの事を相談したんだよ。凄くクールだし、今までと違うサウンドだったし」 ENVIRONMENTAL ACTIVIST. 「レコーディングする環境によって、音のクオリティにも大きな違いが出るよ。今回pumpkinsは、壁がレンガで出来ている自分達の大きなリハーサルスタジオと、ドラムをセッティングする人間も嫌がる程の(特殊な)変な壁にした所と、小さなコントロールルームでレコーディングしたんだよ。全部で3つの環境でレコーディングしたんだ」 MYSTERY MIKING. 「部屋の中央にフロアタムをセッティングしたんだ。で、自分はそれを叩かないで、部屋の別の場所でドラムを叩いてそれに反応して共鳴する音だけをマイクでとったんだ。それを自分のドラムパターンにミックスしたり、音のバリエーションとかアンビエンス効果を付け加えてみたり…という風にやってみたんだ。その前に昔使ってたドラムセットで試したんだけど、最初だけだった。absoluteの方が欲しかった反響の効果が出たんだよね」 THAT'S A WRAP! 「今までに無かったような加工がされたドラムが欲しかったんだよ。そうしたら、この面白い緑のホログラム素材を見つけたんだ。yamahaがこれをドラムにラップフィニッシュしてくれたんだ。でもこのフィニッシュが音に影響する事はないね。本当に格好いいよ」 *1 - ウッドシェルはバームクーヘンの様に薄い板を何枚にも重ねて成型されていて、maple customのシェルはmaple custom abusoluteのよりバスドラで3プライ(3層)、フロアタム/タムで1プライ分厚い。 *2 - バスドラのボディが2つに別れてパカッと開くように出来ていて、そのバスドラの中にスネアとタム2つが収納出来てしまうという、不思議なドラムセット"hipgig"。ハードウェアは、バスドラぐらいの大きさの専用ボックスにいれる(これがストゥールになるらしい)。フロアタムはなし。元々セットに入っていないシンバルをどう収納するのかは不明。定価¥238,000。 |