| Back |

1994 年 2 月に the smashing pumpkins が来日した数カ月後、現某 SP ファンサイトの管理人 H 氏から電話があり、「 jimmy のインタビュー記事が載ってるよ」と教えてくれました。早速本屋へいって立ち読みをしたんですが、当時何故かこの雑誌を買わずに読んで終わってしまったのであります。そのうち買おうと思っていたのか買う程ではないと思ったのか買わなかった理由は憶えていませんが、想像するに当時の自分からして A5 サイズの雑誌に 890 円も出せなかったんだろうと思われます。 JC website をやり始めた時にふとこのインタビューの事を思い出したのですが、如何せん何ていう雑誌の何月号だったかなんて全く記憶にあるはずもなく入手する事を諦めていたんですが、もしかして知っている人がいるのではないかと思い、ダメ元でこのページに「捜索願い」の告知をしました。最近一人の pumpkins ファンの方から mail をいただきまして、とうとうこの雑誌と再会する事ができました。 mail をくださった ricky さん、本当にありがとうございます。


 

SMASHING PUMPKINS INTERVIEW
”オルタナティブ・シーンのスポークスマンになろうとは思わない。僕らの歌の要になっているのは、恋愛で受けた傷やその痛み、なんだ”
天下一品のメロディアス・グランジ・バンド、スマッシング・パンプキンズ・来日インタビュー

パンプキンズって、特定のルーツが全然見あたらない音楽ですよね。
「僕は大学で音楽を専攻しててね、そこではジャズをやってたんだ。父親もジャズのクラリネット奏者でね。今でもやっぱり本当に愛しているのはジャズだな。デューク・エリントンなんかがいちばん好きなんだ。で、ダーシィはクラシックの勉強してて、ヴァイオリンもやってたんだ。ビリーはヘヴィメタルなんかがすごく好きでブラック・サバスとか聴いてた。ジェイムスは REM とかカレッジ系のギターバンドがすごく好きで、もう、全員バラバラなんだ。ただ、そういう多面性が僕らの音楽にいい影響を与えているのは間違いないよね」

そんなにバラバラな人たちがよく一緒にやれますね(笑)。
「確かにね。だから初めはすごく難しかった。僕もそれまでのキャリアの中で、自分がロックをやることになろうとはまったく想像してなかったしね。ビリーにしても、ジャズをやってたやつと一緒にバンドやることになろうとは想像してなかっただろうと思うんだ。でも、そういう初めての奇妙な感じが、逆にいろんなアイデアを持ちよって面白いものが出来る結果になったんだろうね」

だけど、そもそもなんで嗜好性の違う人間同志が一緒にやることになったんですか?
「僕はシカゴでジャズのセッションをやってたんだけど、なにもかもやりつくしてしまったんだよね。ジャズの世界では新しいことがまったく起こってなかった時期で。そういうときにビリーとなかよくなって、音楽のポリシーについて話しているうちにすごく自分と似た価値観を持ってることに気づいたんだ。それで参加することになったんだけど、入る前にパンプキンズを観たときは、こりゃ最悪のバンドじゃないだろうか、って思った。で、参加してしばらくやってからは、あ、絶対に世界最悪のバンドだって確信が持てたよ(笑)」

ニルヴァーナのブレイク以降、もちろん、パンプキンズを含めて、アメリカの中産階級若年層に新しいタイプのロック・ミュージックが完全に定着した気がしますね。
「僕らの世代っていうのは情報がすごく混乱してる世代なんだ。政府によって情報が操作されて、真実が伝わらない時代に生きる。で、そういう現実に気づき始めた世代なんだ。60年代にも同じようなことがあった。だけどあの頃はみんながすごく行動的だったんだ。僕らは歪んだ現実に気がついていても、かといって行動を起こすというところまでいかない世代なんだよ。どこか倦怠している。怠けてるっていう。そういう世代の中産階級の若者の中に眠ってる怒りや不満という感情にばっちりリンクしたんだと思うな」

じゃぁ、あなた片の音楽もそうした世代をダイレクトに反映しているものだと思いますか。

「いや、そのために旗を揚げようなんて気持ちは毛頭ないんだよ。ただ、僕らに出来ることは自分たちの中で自分たち自身を高めようとすることだけなんだ」

「僕自身はすごく明確な政治的意見を持っているし、他のメンバーも同様なんだけど、でも、メンバー間でだってそれぞれ意見が食い違ってるんだぜ。スローガンをぶちあげたって意味がないんだ。もっとずっと身近で重要なテーマがあるはずなんだ。世界中のどの国の誰だって、恋愛で傷ついたことはあるだろう?僕らはそこから始めなきゃいけないと思ってる」


Top